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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

五の一

それよりか――なお豊、気を広く持て、広く。待てば甘露じゃ。今におもしれエ事が出て来るぜ」

五の一

赤坂氷川町なる片岡中将の邸内に栗の花咲く六月半ばのある土曜の午後、主人子爵片岡中将はネルの単衣に鼠縮緬の兵児帯して、どっかりと書斎の椅子に倚りぬ。

五十に間はなかるべし。額のあたり少し禿げ、両鬢霜ようやく繁からんとす。体量は二十二貫、アラビア種の逸物も将軍の座下に汗すという。両の肩怒りて頸を没し、二重の顋直ちに胸につづき、安禄山風の腹便々として、牛にも似たる太腿は行くに相擦れつべし。顔色は思い切って赭黒く、鼻太く、唇厚く、鬚薄く、眉も薄し。ただこのからだに似げなき両眼細うして光り和らかに、さながら象の目に似たると、今にも笑まんずる気はいの断えず口もとにさまよえるとは、いうべからざる愛嬌と滑稽の嗜味をば著しく描き出しぬ。

ある年の秋の事とか、中将微服して山里に猟り暮らし、姥ひとり住む山小屋に渋茶一碗所望しけるに、姥つくづくと中将の様子を見て、

「でけえ体格だのう。兎のひとつもとれたんべいか?」

中将莞爾として「ちっともとれない」

「そねエな殺生したあて、あにが商売になるもんかよ。