Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
五の三
と見るべく見るべからざるほどのしわを眉の間に寄せながら、ちょっと中将の顔をうかがう。
中将はおもむろにたち上がりて、椅子を片寄せ「こちへ御案内申しな」
五の三
「御免ください」
とはいって来しは四十五六とも見ゆる品よき婦人、目病ましきにや、水色の眼鏡をかけたり。顔のどことなく伊香保の三階に見し人に似たりと思うもそのはずなるべし。こは片岡中将の先妻の姉清子とて、貴族院議員子爵加藤俊明氏の夫人、媒妁として浪子を川島家に嫁がしつるもこの夫婦なりけるなり。
中将はにこやかにたちて椅子をすすめ、椅子に向かえる窓の帷を少し引き立てながら、
「さあ、どうか。非常にごぶさたをしました。御主人じゃ相変わらずお忙しいでしょうな。ははははは」
「まるで駝師でね、木鋏は放しませんよ。ほほほほ。まだ菖蒲には早いのですが、自慢の朝鮮柘榴が花盛りで、薔薇もまだ残ってますからどうかおほめに来てくださいまして、ね、くれぐれ申しましたよ。ほほほほ。――どうか、毅一さんや道ちゃんをお連れなすッて」と水色の眼鏡は片岡夫人の方に向かいぬ。
打ち明けていえば、子爵夫人はあまり水色の眼鏡をば好まぬなり。