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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

――おおもうやがて九時じゃ。着物どんかえて、やすみなさい。――おお、そいから今日はの、武どん。安彦が来て――」

立ちかかりたる武男はいささか安からぬ色を動かし、浪子もふと耳を傾けつ。

「千々岩が?」

「何か卿に要がありそうじゃったが――」

武男は少し考え、「そうですか、私もぜひ――あわなけりゃならん――要がありますが。――何ですか、母さん、私の留守に金でも借りに来はしませんでしたか」

「なぜ? ――そんな事はあいません――なぜかい?」

「いや――少し聞き込んだ事もあるのですから――いずれそのうちあいますから――」

「おおそうじゃ、そいからあの山木が来ての」

「は、あの山木のばかですか」

「あれが来てこの――そうじゃった、十日にごちそうをすっから、是非卿に来てくださいというから」

「うるさいやつですな」

「行ってやんなさい。父さんの恩を覚えておっがかあいかじゃなっか」

「でも――」

「まあ、そういわずと行ってやんなさい――どれ、わたしも寝ましょうか」

「じゃ、母さん、おやすみなさい」

「ではお母様、ちょっと着がえいたしてまいりますから」

若夫婦は打ち連れて、居間へ通りつ。小間使いを相手に、浪子は良人の洋服を脱がせ、琉球紬の綿入れ二枚重ねしをふわりと打ちきすれば、武男は無造作に白縮緬の兵児帯尻高に引き結び、やおら安楽椅子に倚りぬ。