Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
「本当にま、きれいな躑躅でございますこと! 旦那様、どちらでお採り遊ばしました?」
「きれいだろう。そら、黄色いやつもある。葉が石楠に似とるだろう。明朝浪さんに活けてもらおうと思って、折って来たんだ。……どれ、すぐ湯に入って来ようか」
*
「本当に旦那様はお活発でいらっしゃいますこと! どうしても軍人のお方様はお違い遊ばしますねエ、奥様」
奥様は丁寧に畳みし外套をそっと接吻して衣桁にかけつつ、ただほほえみて無言なり。
階段も轟と上る足音障子の外に絶えて、「ああいい心地!」と入り来る先刻の壮夫。
「おや、旦那様もうお上がり遊ばして?」
「男だもの。あはははは」と快く笑いながら、妻がきまりわるげに被る大縞の褞袍引きかけて、「失敬」と座ぶとんの上にあぐらをかき、両手に頬をなでぬ。栗虫のように肥えし五分刈り頭の、日にやけし顔はさながら熟せる桃のごとく、眉濃く目いきいきと、鼻下にうっすり毛虫ほどの髭は見えながら、まだどこやらに幼な顔の残りて、ほほえまるべき男なり。
「あなた、お手紙が」
「あ、乃舅だな」
壮夫はちょいといずまいを直して、封を切り、なかを出せば落つる別封。