Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
「これは浪さんのだ――ふむ、お変わりもないと見える……はははは滑稽をおっしゃるな……お話を聞くようだ」笑を含んで読み終えし手紙を巻いてそばに置く。
「おまえにもよろしく。場所が変わるから、持病の起こらぬように用心おしっておっしゃってよ」と「浪さん」は饌を運べる老女を顧みつ。
「まあ、さようでございますか、ありがとう存じます」
「さあ、飯だ、飯だ、今日は握り飯二つで終日歩きずめだったから、腹が減ったこったらおびただしい。……ははは。こらあ何ちゅう魚だな、鮎でもなしと……」
「山女とか申しましたっけ――ねエばあや」
「そう? うまい、なかなかうまい、それお代わりだ」
「ほほほ、旦那様のお早うございますこと」
「そのはずさ。今日は榛名から相馬が嶽に上って、それから二ツ嶽に上って、屏風岩の下まで来ると迎えの者に会ったんだ」
「そんなにお歩き遊ばしたの?」
「しかし相馬が嶽のながめはよかったよ。浪さんに見せたいくらいだ。一方は茫々たる平原さ、利根がはるかに流れてね。一方はいわゆる山また山さ、その上から富士がちょっぽりのぞいてるなんぞはすこぶる妙だ。歌でも詠めたら、ひとつ人麿と腕っ比べをしてやるところだった。