Japanische Klassiker mit Furigana
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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
Lesen Sie 少年科学探偵 (こさかいふぼくしゅうはしがき) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.885 Zeichen · 308 Bildschirme
三
大村夫人は、見も知らぬ私たちの顔を見て、怪訝そうな様子をしておりましたが、俊夫君が用向きを簡単に述べると、「どうぞこちらへ」と言って、奥の一間に案内してくれました。
座が定まるなり、すぐさま俊夫君は用向きに移りました。ポケットから例の名刺を取りだして、
「これに見覚えがございましょうか」
と言いながら相手の顔をじっと見つめました。
三
大村夫人は名刺を取りあげて眺めましたが、やがてその手はかすかに震えだしました。
「まあ、どうしてこれをお持ちでございますか」
「するとこの名刺はご主人様のに間違いございませんか」
「確かに良人が作らせた物でございます」
「もしや、これと同じ名刺をまだお持ちではありませんか」
「はあ、確かまだ一二枚は残っていたと思います」
こう言って夫人は立ちあがって、次の間に退いたが、しばらくしてから一枚の名刺を持って入ってきた。
俊夫君は比べて見ると、それはまったく同じ物であった。
「ご主人様は震災の時に、悲しいことにおなりになったと聞きましたが、当日はやはりご一緒に宅においでになりましたか」
「いいえ」
と夫人は強く言って、急に悲しそうな表情になり、