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Japanische Klassiker mit Furigana

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こさかいふぼくしゅうはしがき

少年科学探偵

小酒井 不木

Lesen Sie 少年科学探偵 (こさかいふぼくしゅうはしがき) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.885 Zeichen · 308 Bildschirme

Aozora Bunko

いつも来客の時は私が迎えに出るのでしたが、その日は俊夫君が飛びだしてゆきました。

来訪者は四十格好の、洋服を着て口髭を生やした立派な紳士でした。何か心配事があると見え、顔色が青ざめて見えました。俊夫君は丁寧に招じ入れて椅子を差しだし、私を紹介してから、しずかに来意を尋ねました。

「私は本郷東片町に住む富田重雄というものでして、××銀行の重役を致しております」

と言いながら名刺を出して俊夫君に与え、

「昨日、家内に心配事ができましたについて、そのご相談に来ました」

と、品のある言葉づかいで紳士は語りました。

「心配事とはどんなことですか」

と、俊夫君は紳士の顔をじっと見つめながら尋ねました。

「今年七歳になる長男が、何者にか誘拐されたのです」

「誘拐」と聞くなり、俊夫君は、チラと私の顔を眺めました。その眼には、

「兄さん、待ちこがれていた事件がいよいよやってきたよ。嬉しいじゃないか」

という意味が明らかにあらわれておりました。

しかし、俊夫君は、少しも顔色を変えないで、

「どうか、その顛末をお話しください」

と、いたって平静な言葉で申しました。

紳士は語りました。