Japanische Klassiker mit Furigana
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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
Lesen Sie 少年科学探偵 (こさかいふぼくしゅうはしがき) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.885 Zeichen · 308 Bildschirme
やがて、俊夫君は瀬木に向かって言いました。
「実は瀬木さん、藤田さんは自殺なさったのではなく、殺されなさったのです」
「ええっ?」
と、瀬木は顔色を変えました。
「でも、新聞には自殺と決まったと書いてあったじゃありませんか」
「新聞記事は、たいてい出鱈目なものです」
と俊夫君は落ちついた態度で言いました。
「実は僕は先日、藤田さんの居間の机の引き出しを検べたところ、ビタミンAの入った壜を見つけました。ビタミンAは栄養の不良から起こる病気に用いるもので、僕ははじめ藤田さんが肺病ではなかったかと思いました。けれども老婆に聞くとそうでなかったらしいと言いました。
すると、僕は眼科医の診察料の領収証を見つけました。その時に、はッと思い当たったのです。眼病でビタミンAを要するものは、第一に夜盲症すなわち俗にいう『とりめ』を考えなければなりません。
そこで僕は自動車をとばしてその眼科医を尋ねたところ、果たして藤田さんは強度の夜盲症にかかっていたことが分かりました。藤田さんは、頑固な人だから、老婆にも、自分が『とりめ』だということを知らせなかったらしいのです。
ところで、藤田さんが夜盲症だとすると、夜は眼が見えぬのですから、自殺前に般若心経を開いて読むはずがありません。