Japanische Klassiker mit Furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Lesen Sie 山の人生 (やまのじんせい) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.022 Zeichen · 226 Bildschirme
ましていわんやその間には今も一貫して、日本共通の古くからの法則が、まだいくらも残っていたのである。
『西遊記』その他の書物に九州の山童として記述してあるのは、他の府県でいう山男のことであって、その挙動なり外貌なりは、とうてい川童の冬の間ばかり化してなる者とは思われぬのであるが、別にこれ以外に谷の奥に潜んで小さな怪物のいるという言い伝えはあったので、山童はもと恐らくはこの方に属した名であった。壱岐の島では一人の旅人が、夜通しがやがやと宿の前を海に下って行く足音を聴いた。夜明けて訊ねるとそれは山童の山から出てくる晩であった。或いはまた山の麓の池川の堤に、子供のかと思う小さな足痕の、無数に残っているのをみて、川童が山へ入ったという地方もある。秋の末近く寒い雨の降る夜などに、細い声を立てて渡り鳥の群が空を行くのを、あれがガアラッパだと耳を峙てて聴く者もあった。阿蘇の那羅延坊などという山伏は、山家に住みながら川童予防の護符を発行した。すなわち夏日水辺に遊ぶ者の彼らの害を懼るるごとく、山に入ってはまた山童を忌み憚っていた結果かと思われるが、近世に入ってからその実例がようやく減少した。