Japanische Klassiker mit Furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Lesen Sie 山の人生 (やまのじんせい) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.022 Zeichen · 226 Bildschirme
大都のまん中では、もとより小児の親にはぐれる場合も多かったろうけれども、幼小な子供が何ぴとにも怪まれずに、こんなに遠くまできていたというは珍しい。故に昔の人もこれらの実例の中で、特に前後の事情の不可思議なるものを迷子と名づけ、冒涜を忌まざる者は、これを神隠しとも呼んでいたのである。
村々の隣に遠く野山の多い地方では、取分けてこの類の神隠しが頻繁で、哀れなることには隠された者の半数は、永遠に還って来なかった。私は以前盛んに旅行をしていたころ、力めて近代の地方の迷子の実例を、聞いて置こうとしたことがあった。伊豆の松崎で十何年前にあったのは、三日ほどしてから東の山の中腹に、一人で立っているのを見つけだした。そこはもう何度となく、捜す者が通行したはずだのにと、のちのちまで土地の人が不思議にした。なおそれよりも前に、上総の東金附近の村では、これも二三日してから山の中の薄の叢の中に、しゃがんでいたのをさがしだしたが、それから久しい間、抜け殻のような少年であったという。
珍しい例ほど永く記憶せられるのか、古い話には奇抜なるものが一層多い。親族が一心に祈祷をしていると、夜分雨戸にどんと当る物がある。