Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
Lesen Sie 幼年時代・晩夏 (ようねんじだい) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.965 Zeichen · 169 Bildschirme
――「私にとって、おお無花果の木よ、お前は長いこと意味深かった。お前は殆ど全くお前の花を隠していた……」とリルケの詩にも歌われている、この無花果の木こそ、現在では私もまた喜んで自分の幼年時代をそれへ寄せたいと思っている木だ。あたかも丁度私の幼年時代もまたその木と同じく、殆ど花らしいものを人目につかせずに、しかもこうやっていつか私に愉しい生の果実を育くんでいてくれているとでも云うように……
一人の少女は、お竜ちゃんといった。ちょうど私とおない年だった。きつい目つきをした、横から見ると、まるで男の子のような顔をした少女だった。どうかすると、ときどき私をそのきつい目でじっと見つめていた。――その目ざしを私はいまだによく覚えている。本当に覚えているのはその印象的な目ざしきりだが、――しかしそれだけを思い浮べただけで、もう忘れてしまっている顔の他の部分までが、何んとなくぼおっと浮んでくるような気さえされる位だ。……
私の家の生籬の前に、そこいらの路地の中ではまあ少しばかり広い空地があったので、夕方など、よく女の子たちが其処へ連れ立ってきて、輪をつくっては遊んでいた。