Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
彼は目を瞑るようにしてもう一度繰り返した。
「その子供は?」
「産むとすぐ殺してしまいました。済みません。済みません」
鶴代はそう、低声ながら叫ぶように言って、両手を顔に当てて泣きだした。
「泣かんでもいい。泣かんでもいい」
「…………」
「それで、だれかに殺したほうがいいと勧められたのではないのか?」
「そんなことはありません。自分一人の考えで殺したのです」
若い検事は、彼女の自分に対する好意を感じないではいられなかった。彼女が自分を愛しているからこそ! 彼はそう思った。彼女とともに罪に立とう!
「しかし、その妊娠させた男が、子供を養っていけるだけのものを出してくれたら、殺しはしなかったと思うが?」
「あるいはそうかもしれませんでした。でも、殺したのはそのためではありません」
「では、その妊娠させた男を憎んではいないというのか?」
「憎んではいます。それはとても憎んでいます。しかし考えてみると、妊娠したのはわたしの勝手も少しはあるのですから仕方がありません。そして、わたしが子供を殺したのとその方は別に関係のないことです」
「では、どうだから殺したのかね?」
「それは、だれも悪くないと思います。