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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

「それはだれだってそう思うだろうけれど……それで、雅子さんもそう思っていたんですか?」

「最近まではね。でも、わたしには分からなくなってきましたわ。永峯と吉本さんと、立場を置き替えたら、あるいは永峯のほうが吉本さんのように神経衰弱になっていたかもしれませんし、わたしには分からなくなってきましたわ」

彼女はそのまま口を噤んでしまった。二人の間には深い沈黙が落ちてきた。

6

永峯はそれから間もなく帰ってきた。最近丸ノ内辺りの会社に勤めだしたらしい。彼は白麻の背広をかなぐりすてながら、慌て気味にバルコニーへ出てきた。

「吉本! やあ!」

「やあ!」

「ぼくはきみに合わせる顔がなかったんだ。よく来てくれたね」

永峯はひどく昂奮して吉本の手を握った。

「本当によく来てくれたね。ぼくはきみが怒っているかと思って……」

「怒ってやしないがね。……きみはまた、すっかりプチブルになってしまったじゃないか?」

べつだんに詰責するらしい様子もなく、吉本は微笑を含みながら言うのであったが、永峯にはなにかしら鑢にかけられるようなものが身内を走る感じだった。

「それだけは許してくれ。