Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

ぼくはそして、その犠牲になったテロリストの犠牲に対して、報いるだけのことをするね」

その時、その部屋のドアをだれかがノックした。

「どなた?」

賢三郎は顔を上げて言った。

「わたしよ、入ってもいいこと?」

ドアが外から開いた。入ってきたのは賢三郎の婚約の令嬢、弥生子であった。

4

朝は深い靄のために鈍色に曇っていた。

「晴れる晴れる。大丈夫晴れるよ」

仮面の男が街頭の空を見上げて言った。

「花曇りさ」

「青空が見えてきたよ」

同じ仮面の男が言った。

前田鉄工場の仮装観桜会に行く、前田鉄工場の職工たちであった。

集合場所は新宿の駅前になっていた。同じ仮面をつけた同じ仮装の人間が、その住宅から三人五人ずつ連れ立って集まってきた。最初はその声色や身体の恰好で、仮装の中に包まれている人間がだれであるか判然と分かった。しかし、それがしだいに多く合流していくに従って、だれがだれであるか全然分からなくなっていった。

新宿の集合場所には、工場主前田弥平氏が早朝から行っていた。彼は家族の者にも職工たちと同じ仮装をさせて引き連れてきていた。しかし、彼自身は背広の首に花見の手拭いを一本結んでいるだけで、仮装はしていなかった。