Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

7

房枝の遺書には、だいたいそういう意味のことが書かれていた。

7

房枝の父親は房枝の遺書に頼んであったことを守って、なにも言わずに房枝の葬式を済ませた。しかし、房枝の父はだんだん我慢ができなくなっていった。死んだ房枝のことを考えると、かわいそうで涙が出てきて、どうしても鈴木女教員を責めずにはいられない気持ちになってくるのだった。だが、房枝のああいう遺書のことを思うと、父親は涙を呑みながらも、歯を食い締めて我慢をするのだった。

毎日朝から晩まで房枝のことばかり突き詰めて考えていた房枝の父親は、房枝の三七日の墓参りの済んだあとでとうとう鈴木女教員を責めに彼女の下宿を訪ねていった。

「鈴木さんは、おいでかね」

こう言って鈴木女教員の部屋に入っていった房枝の父親は、そこの机で読書をしている鈴木女教員を見るとろくろく挨拶もせずに、懐から房枝の遺書を取り出した。

「これはわたしの馬鹿な娘の遺書ですがね。まあ、読んでみてください。娘は、わたしの口からはだれにもなにも言わないでくれと書いてありますがね。しかし、あなたにだけでもこれを見ておいていただかないと、わたしはどうしても気が済まないのです。