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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

「いったいどこへ行ったのか、見当がつくのか?」

「東京らしいんで……」

「東京らしい? たわけめ! 逃げていった者を東京くんだりまで捜しにいって、なんになるんだ? たわけめ!」

「いますぐなら、札幌の伯母のところに寄っていると思うもんですから」

「馬鹿なっ! 逃げていったもんなんか捜しに行くことねえ! それより、正午前にサラブレッド系の馬を全部捕まえておけ、買い手が来るのだから」

「…………」

正勝はなにも言わずに上目遣いに喜平を見て、それからその目を紀久子のほうに移した。紀久子ははっと胸を衝かれた。憎悪! 怨恨! その目は爛々として憎悪と怨恨とに燃えていた。

「なんて目をしやがるんだ? たわけめ!」

喜平は怒鳴りつけた。

「そんな目をしていねえで、早くあっちへ行け! そうして、すぐサラブレッド系の馬を三頭とも全部捕まえておけ! 買い手が来てから捕らえるなんて言ったって、そん時になってからじゃ容易なこっちゃねえから」

正勝はもう一度、憎悪と怨恨とに燃える目を上げて、露台の上の父親と娘とをじっと睨むようにして見てから、静かにそこを離れていった。

「たわけめ!」