Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

「停車場から、おれたちが蔦を一緒に連れて帰ったのを敬二郎くんが知っているのだから、とにかくどこまでか一緒に帰ったことにしておかないと具合が悪いな。牧場の近くまで馬車で一緒に来て、牧場の門のところで降ろしたらそのまままたどこかへ姿を隠してしまったことにするか?」

「…………」

「蔦があなたのお父さんに恨みを持っていたってことは、蔦のおれへの手紙を見ても分かる。だから……」

「…………」

「おれたちが無理に連れ戻って、門のところで降ろしてしまってからおれはいっさいなにも知らなかったことにしておこう。紀久ちゃんは紀久ちゃんで、その場の都合でなんとでも申し立てればいいさ。とにかく、おれは門のところまで一緒に来てそこで降ろしたから、あとはいっさい知らねえことにする。蔦の手紙も証拠の一つとして見せる必要はあるだろうが、あとで読んだことにするから。それでいいね」

「正勝ちゃんがいいと思うんなら……」

「そんな手筈にしておこうじゃないか」

正勝はそして、喜平の死骸にしゃがみ込んだ。

「これくらいでもういいだろう」

呟きながら、正勝はふたたび喜平の胸の傷口をその寝巻の端で押さえ、寝室へと入っていった。