Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
第五章
「死骸はどうしましょうか?」
「死骸は本署から来るのを待って片づけるのが本当だが、一つの死骸は犯人がはっきりと分かっていてその犯人が死んでいるんだし、他の一つの死骸はそれを殺した人が自首しているのだから、片づけてしまっていいだろう。本署から確かに来るものなら片づけずに待っていてもいいのだが、北海道の山奥じゃそんな例はあまりないからなあ。それより、馬車なりなんなり用意して、早く出かける支度をしてくれ。今日じゅうに本署へ着けなくなるぞ」
巡査に促されて、正勝は露台へ出ていった。
「おーい! だれか早く馬車の用意をしてきてくれ。それから、旦那さまの死骸と蔦の死骸はすぐもう片づけていいそうだからなあ。おれはこれから警察へ行かなくちゃなんねえから、すぐ片づけてしまってくれ」
正勝は露台の上から、牧夫たちへ声を高くして朗らかに言った。
第五章
1
正勝はなにも言わずに、侮蔑を含んで微笑みつづけた。
(態あったらねえ!)
微笑みの底で、彼はそう呟いているのだった。
「正勝くん! きみは口が利けなくなって帰ってきたのか!」
松田敬二郎はじりじりしながら叫ぶようにして言った。