Japanische Klassiker mit Furigana
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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
Lesen Sie 新宝島 (しんたからじま) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.590 Zeichen · 197 Bildschirme
それにしたがって、向岸の帯のような緑の林が、一メートル、二メートルと右左にひろがって、こちらに近よって来るのです。その景色の美しさ、楽しさは、何にたとえるものもありません。
それから一時間ほどのち、少年たちの筏は、とうとう岩山をはなれて、平地の川に流れ出ました。非常に広い川です。川というよりも大きな池といった方がいいかも知れません。すこしの波もなく静まりかえった水、そのまわりを、ぐるっと緑の林がとりまいているのです。
谷間を出はなれると、たちまち流がゆるくなって、筏が進まなくなりましたので、少年たちは又、板の櫂で水をかかなければなりませんでした。
「アア、熱くなった。もうこんなものいらないや」
保君が第一に、体にまきつけていた布を、ぬぎすてました。ほかの二人も、それにならったことはいうまでもありません。そして、シャツと半ズボンの軽快な姿になって、せっせと筏を漕ぐのです。
筏は、油を流したようにゆるやかな水の上を、スーッスーッと進んで行きます。
キラキラとかがやく空、青くよどんだ水、濃い緑の林、絵にかいたような景色です。
ところが、筏が池のなかほどにきた時、突然、実に突然、その静けさの中に、ギョッとするようなことが起りました。