Japanische Klassiker mit Furigana
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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
Lesen Sie 新宝島 (しんたからじま) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.590 Zeichen · 197 Bildschirme
ボートの中の三人
真暗な海。はるかはるか向こうにチラチラしている港のともし火。それも、日本の港ではありません。南洋の未開の島の、淋しい淋しい港です。
子供の腕で、この海がはたしてこぎ通せるでしょうか。にわかに嵐が起るようなことはないでしょうか。そして、漕いでも漕いでも、港から遠ざかるばかりというような、恐しい目にあうのではないでしょうか。アア、なんだか心配です。三少年の運命は、これから一体どうなって行くのでしょう。
ボートの中の三人
三人はボートの中に身を伏せて、頭だけを持ちあげて、じっと親船を見つめていました。もし海賊の一人が艫の方へ出て来て、ボートの三人を見つけるようなことが起ったら、何もかもおしまいです。今度とらえられたら、どんな恐しい目にあうかわからないのです。
じっと息をころして見つめていますと、すぐ目の前にあった、海賊船の大きな船尾が、見る見る向こうへ遠ざかって行きます。五メートル、十メートル、二十メートル。そして、いつの間にか、もう大きな声で呼んでも聞えないほど、遠くへ隔ってしまいました。
少年達は助かったのです。賊はお酒によっぱらっていて、すこしもそれと気づかなかったのです。