Japanische Klassiker mit Furigana
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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
Lesen Sie 新宝島 (しんたからじま) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.590 Zeichen · 197 Bildschirme
生か死か
生か死か
それから夜明までの数時間、風はたえまなく吹き、波はいつまでもさわいでいましたけれど、さいわい、嵐にもならず、ボートは果しもなく流されるばかりで、転覆するような心配はありませんでした。
泣きたいだけ泣いて、やっと泣きやんだ三少年は、さいぜんからの働きと恐のために、身も心も疲れはてて、もう何が何だかわからなくなっていました。眠いけれども、眠るわけには行きません。といって、はっきり起きているのでもなく、生きているのか死んでいるのかわからないような数時間が、ようやくすぎ去って、やがて、空がほんのりと明るくなり、海のはてに血のような真赤な色が流れて、びっくりするほど赤い太陽が、水平線の上にジリジリとさしのぼって来ました。
とうとう夜が明けたのです。ふと気がつきますと、いつの間にか風がやんで、波も静かになっていました。
「ア、波が静まったよ。僕らは助かるかも知れないぜ」
泣き出すのも早ければ、元気になるのも早い保君が、ボートの中にムックリと起き上って、大きな声で叫びました。
ほかの二人も、その声にはげまされて、思わず起き上り、泣きはれた顔で、ホノボノと白んだ海の上を見わたしました。