Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
一羽の小禽のため、ひとりの人間を手討にするという。むきになって怒っていう。まるで国家の大事のように、氏真はそれを父へも当然にいうのである。
「……何かと思えば」
子にあまい義元も、氏真の愚かな怒りに、暗然とつぶやいた。
臣下の前もある。
いかに自分の嫡男であろうと、こういう暗愚を見せられたら、家臣たちもおのずと氏真を軽んじるであろう。
義元は、そう考えると、大きな愛を示したつもりで、
「たわけ殿よ!」
と、烈しく叱った。
「氏真、そちは幾歳になる。はや元服もとくにすんだ身ぞ。しかもこの今川家を継ぐ嫡男の身にてありながら、小禽ばかり飼い遊んでいて何とする! ちと、禅でもいたすか、軍書でも読め!」
めったに子を叱らない父からいわれたので、氏真も顔いろを失って沈黙した。けれど、平常その父をさえ甘く見ているし、父の行状にも、もう批判の眼の出来ている年頃の氏真なので、かえって、反抗の唇をむすんで、膨れかえっていた。
義元もまた、そこに弱点を感じるのだった。暗愚なほど子は可愛いのである。自身の行状も決して子によい教育を示していないことも知っていた。
「もうよい。以後は慎め。