Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
(見よかし人々)
と、武士の死出を笑って、誓願寺の曲を一さし舞い、舞い終るとすぐ舟のうちで屠腹したと、後の世までの語りぐさに伝わっている。
それとは違う歓びの溢れからであったが、寧子は、犬千代の小鼓に促されて、一扇をひらいて起つと、素直に、幸若のうちの源氏物を一ふし舞った。
「出来た、出来た」
と、自分が舞ったように手をたたいたのは、聟殿の藤吉郎であった。
だいぶ酒のまわったせいもあろう。興に浮いた人々の勢いは熄まない。誰がいい出したか須賀口へ押し襲せようではないかという。須賀口とは清洲の宿駅でいちばん明るい紅燈の巷である。否というような理性家は一人もいそうもない。こよいの聟どのたる藤吉郎からして、
「よし、参ろう」
と、真っ先に腰を上げたものである。呆れる縁者たちを無視して、水掛祝いに来た連中は、それも忘れて聟どのの首にかじりついたり、腰を押したり、手を振ったり、蹌めいたり、暴風の去るように婚礼の席からどやどや出て行った。
「いとしや嫁御寮」
縁者たちは、取り残された寧子の心を思いやって、彼女のすがたを探したが、今舞っていた新妻はもう見えなかった。門の妻戸を押して外へ出ていたのである。