Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

「話せるな。この旦那は」

などと彼らも、少し酒がまわると、戯れたりした。

だがそれは、下職や人足たちのことで、頭立った棟梁たちは、依然藤吉郎を白眼視していた。

(ふふん……。見え透いた小才を振りまわしゃあがる)

むしろ、反感を募らせていた。こんな所で、酒が飲めるか――といった顔つきで、杯など手にも触れないのである。

「どうだな、棟梁ども」

藤吉郎は、杯を持って、彼らのその白眼視の中へ、自分から起って腰をうつした。

「そち達は、いっこう飲まぬようではないか。棟梁は、一方の武将、責任を思うて、酒も参らぬとみゆるが、まあまあ、案じるな。――出来るものは出来る。出来ぬものは出来ぬ。まちごうて、三日のうちに出来なかったら、わしが腹を切ればすむ……」

と、最も苦りきっている棟梁の一人へ、杯を取らせて、藤吉郎は自分で銚子から注いでやりながら、

「――まあ、心配といえばだなあ……この度の御普請の一事でもないし、もとより、この藤吉郎の一命などでもない。わしは、お前らの住んでおるこの国の運命が心配だ。何度もいうようだが、これしきの普請に、二十日もかかっているような状態では――そうした人心では――この国は亡びるな」