Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

前の晩、組頭の堀尾茂助からそう云い渡されていた三名は、どこへお供するのか、秀吉の出先はわからなかったが、ともかく欣しさに眠れないほどだった。

さむらい十騎ばかり、小姓四人、あとは御小人の口取中間など、同勢はそれだけだった。

夜明けとともに城を出て、伊吹山のほうへ駈けて行った。狩猟にということであったが、鷹も犬も連れていない。

「殿。どこまでお出でですか」

伊吹の麓まで来ると、さむらいの一人が訊いた。秀吉はつねに先駆しながら、

「どこまでという定めはない。日暮まで駈けあるいて帰るまでじゃ」

「鹿、兎でも追い出しましょうか」

「よせよせ。狩猟などつまらん」

「では、単なる遠乗りという御意ですか」

「単なる? ――そうでもないぞ。大いに意味がある」

「はて。何ぞほかに、思し召がおありですか」

「ある」

「お聞かせ下さい」

小姓組の堀尾茂助、福島市松など、秀吉にせがんで云った。秀吉は馬を立てて、眉に迫る伊吹山を仰ぐ。さむらい達もみな手綱をやすめ、各※(二の字点、1-2-22)、汗ばんだ顔を山巒に吹かせていた。

「髀肉の嘆――ということばがあるな。知っておるじゃろう」

「存じております」