Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
待ちかねて秀吉の手は、すぐ両手にそれを持って、がぶがぶと一息に飲んだ。
大茶碗に七、八分のただのぬる湯であった。
「稚子。もう一服」
「はい」
少年は立ってゆく。
寺の稚子と、彼は見た。
すぐ二服めを運んで来た。白湯は前よりもすこし熱加減で、量も半分ほどしかない。秀吉は、ふた口に飲みながら、眼を少年の顔に向けていた。
「稚子」
「はい」
「名は何というか」
「佐吉と申します」
「佐吉か。――佐吉、もう一服くれい」
「かしこまりました」
秀吉はしきりに、その後ろ姿にまで眼をつけていた。
こんどは、容易に運んで来なかった。
程経て、菓子を持って来た。それからまた少し間をおいて、前の茶碗よりずっと小ぶりな白天目に緑いろの抹茶をたたえ、足の運びもゆるく、貴人にたいする作法どおり、物静かに秀吉のまえに置いた。
「これで渇も医えた。うまかったぞ」
「ありがとう存じます」
「……む、むう」
秀吉は何か、こううめいた。少年の容貌は稀に見るほどよく整っていた。知性の美といおうか、長浜の小姓部屋にいる於市、於虎、於助、於権などという者どもとは、その言語挙動にしても、著しくちがっているところがある。