Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
しかも、中国攻略の重大性と至難は、北国の比ではない。
秀吉も、それを知るので、千鈞の重責を肩にうけた感じだった。
――が、いつにない秀吉の慎重な容子を見ると、信長はふと、べつな不安を覚えた。
(やはり、ちと、重任すぎるかな?)
と、思い煩い、
(確たる自信があるのやら、ないのやら?)
と、彼の胸中を思い過したりした。
で――試みに、
「筑前、いちど長浜へ立ち帰って出陣いたすか。それとも、即刻、安土から立つか」
「もとより、即日、御城下から発向いたしまする」
「長浜に心残りはないか」
「ありませぬ。母あり、妻あり、よき養子あり、何のあとに憂いがございましょう」
養子というのは、以前、乞うて主君からもらいうけた信長の四男次丸(秀勝)のことである。信長は、笑って、また訊いた。
「そちの滞陣が、長びくまに、そちの所領悉く、養子のものになったら、そちはどこを所領いたすか」
「中国を征服し、中国を頂戴します」
「中国をゆるさなかったら?」
「九州を略し、九州に居城しましょう」
「はッははは」
信長は、自分の危惧をふきとばして、哄笑した。なにかしら、この漢が征けばと、安心がついたのである。