Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
月を見、酒を酌み、古今の英雄や興亡を語り合っているうち、半兵衛もいつか病苦を忘れているかのようであった。――しかし、いつかまた、話が結論にもどって、
「朝に三軍を指揮しても、夕べには死ぬかも知らず、こよいはこうして月を見ていても、あすは知れぬ身はおたがいのことだが――やはり大志を抱いてそれを成し遂げるためには――いかなる英雄でも長寿をしなければ完成はできない。……たとえ短命であろうと、末代に名をとどめた華やかなる英雄も忠臣も世に少なくはないが、なお、それをして長命させたら? という恨みは誰にも尽きぬ気がする。……また、旧を排し、悪弊を討ちなど、破壊ばかりが英雄の事業ではない。そのあとに建てる次代の文化をも完成して――初めて英雄の業は成るというものだ。それこそ巨人の責任ではなかろうか」
と、官兵衛が云い出したのに対して、秀吉は、
「そうだ。そうなければ」
と、幾たびも、頷いたあげく、沈黙している半兵衛重治へ向って、
「そのためには、明日知れぬ生命も愛しんで、平常身の養生につとめ、長生きをせねばなるまい。……半兵衛にも、そのつもりで、どうか養生してもらいたいものじゃ」