Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
「信長卿にもまた、直家と会う御意志はないかのように存ぜられる。さる上は、ここは縁なき他国。疾く去るほうが、双方によろしかろう」
「それでは、秀吉の立場がござらぬ」
「羽柴どののお扱いには、他日御挨拶申しあげる。また、御厚志は忘れおかぬ」
「いやもう一夜、御逗留あって、よくよく御決意をお練り下さい。せっかくここまで取り運んだ両家の和議を、立ちどころに喧嘩別れとしてしまうには忍びません」
と、強って宥めて、
「今日、御対面を避けたのには、信長公のお胸に、ちと仔細のあることです。夜分にでもまた伺って、その理由をおはなし申そう。――それがしも一応宿へ退り、衣服など改めて出直すことにいたせば、夜食を召し上がらずにお待ちねがいたい」
秀吉は、彼を置き残して、帰ってしまった。
やむを得ず直家は、夕食を喰べずに待っていた。
秀吉は、衣服をかえて、出直して来た。そして夜の食事をしながら談笑の末、
「そうそう、このたびのことで、信長公が何故、この秀吉に辛く当っておられるか――その仔細をお打明けする約束でしたな」
と、彼は思い出したかの如く、そのことについて語り出した。
宇喜多直家も、それを聞きたさに、胸をさすって、出発をのばしてしまった程なので、もちろん熱心に彼の唇を見つめていた。