Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
「忘るるな、この稗粟の軽い飯茶碗は、殿さまがそち達を好んで飢じゅうさせよとて、下されているものではない。年ごとに武田勢に御領地を伐り奪られてしまうためじゃ。――おぬし達、人なみの飯を、腹いッぱい喰おうと思うなら、お国を強くせい。お国を強うするには、造作もない。おぬし達が今をしのんで、きょう喰いたいものは明日に、ことし楽しみたいことは来年に――自分自分を、こここの秋と、磨きあうことだぞ」
藩士の家庭では、燈火の油さえままならぬ夕餉のたびに、その父、その母が、こう子弟によく云いきかせていた。
こういう中で、岡崎城の家中近藤平六は、新規御加増となった。
もとより戦功があったからこそであるが、平六は心のうちで、
「なにやら申し訳ない」ような気がしてならなかった。
君恩のかたじけなさ、いうまでもないが、それだけ君家の禄を喰い減らす気がした。そうかといって、戦陣の恩賞を辞退するのも主家に対してよろしくない。
「近藤。貴公はまだ、大賀どのの所へ行っておらぬそうではないか」
「は。つい……取り紛れて」
「早く参って、新規御加増の采地は、どこの村か、どこを境とするか、よく地方のお指図を承って、戴いたものは戴いたようにしておかねばいかんじゃないか」