Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

「はあ、今日は、帰りに立ち寄って、よく大賀どのから伺いまする」

番頭から叱言をいわれて、近藤平六は大いに恐縮した。その夕方彼は退出のもどりに、徳川家切っての出頭人、大賀弥四郎のやしきを訪ねた。

おそらく浜松にも岡崎にも、大賀弥四郎ほどな屋敷を構えていたものはなかったろう。

彼は、三河遠江三十余郷の代官だった。

また、地方吟味、税取立、岡崎浜松の勘定方や軍需品の買入役など、およそ経済方面の要務は、ほとんど兼ねているといっていい。

だから彼の門には、客が市をなした。外部はそうでもないが、一歩邸内にはいると、ここばかりは岡崎ではないようだった。

建築庭園にも、召使の男女の装束にも、都の華美がそのままある。

客があれば、かならず贈り品が一緒に入り、奥に通れば、かならず美酒佳肴が主客のあいだに出る。

「……どうも好かん」

主の大賀弥四郎が出てくるあいだ、近藤平六は、借物のように、豪奢な書院にぽつねんと待たされていたが、自分の加増という用向きで来ているくせに、心は甚だ楽しまない。

「やあ、失礼失礼」

出て来た。

弥四郎である。

四十二、三の巨男で、盤広な顔に黒あばたがいっぱいだ。