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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

と、陳べた。

すると、列座の中から、

「否。否ッ」

と、呶鳴った者がある。

急遽、長浜から手勢をひいて駈けつけて来ていた筑前守秀吉であった。

「長篠一城は、この際、さしてのことではござるまい。しかし長篠が甲軍の攻勢的足場に占められたのちは、徳川家の防禦も、すでに堤の一部を切られたも同様で、到底、長く甲州の進出をふせぎきれないことは瞭らかです。――信玄亡きあとの現状でさえ、勢い当り難い甲軍に、その優位を与えたとき、わが岐阜本城の安泰がどうしてあり得ましょう」

彼の声は大きい。彼の弁にはまた一種の情感の響きがある。人々は彼の面を見ているだけであった。

「――ひとたび、軍をうごかすからには、戦うような、戦わないような、あいまいに出陣などという法はない。余りにも小策すぎましょう。出動、それは直ちに、積極的な行為ではあるまいか。――よろしくここは大策を立て、織田倒るるか、武田捷つか、乾坤一擲のお覚悟をしかとすえられ、大軍をもって盟国の急を救い、あわせて年来の大患を一挙にお除きあるべきかと信じます」

信長の胸は知らず、いずれ援兵を送るとしても、六、七千か一万足らずの兵とは、諸将のたれもが一様に考えていたところだった。