Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
訊きもせず、幾日も、暗い所へ抛り込まれては堪りません」
「申すか」
「申します」
「然らば問うぞ」
「はい。どうぞ」
「……いかん」
と、弥平治は、日吉のけろりとした顔に、力負けしたように、
「こいつ、どうも、おかしな奴ですな。少し頭脳が悪いのかも知れぬ。人を弄っておるような」
と呟いて、十兵衛の顔を見ながら苦笑した。
十兵衛は、笑いもしなかった。むしろ惧れに似たものを日吉に抱いた。
で――十兵衛と弥平治とが、駄々な子をあやすように、こもごも何かと質問すると、日吉は、
「それなら、今夜大変が起ることを、教えますが、私はその仲間でも何でもありませんから、私の生命は、保証してくれますか」
「よろしい。そちの一命などは取るにも足らん。大変とは、何事か」
「火事があります。今夜の風次第で――」
「火事。……何処から」
「それは分りませんが、わたしと同じ木賃に泊っていた野武士たちが、密談していました。――今晩風が西か南だったら、常在寺の森に集まり、手分けして、城下へ火を放けようと」
「えっ」
弥平治も愕き、十兵衛も息をのんで、日吉の顔を見まもった。――半ば、信じ難いような面持で。