Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
「――実に、お年に似合わず、思慮分別のそなわったお方だな。ああいうお方を、俗に出来ている人間――というのじゃろうな。とかく学問はないがしろになり、ただ、何貫目の棒を使うとか、悍馬に乗ってよく槍をつかいこなすとか、どこの戦場で何人斬ったとか――そんなご自慢を華としてござるが、十兵衛様はそうでない。いつあの御書斎をのぞいても、しいんと、湖水のように静かに学問してござられる。しかも、火術や兵法などにも、人一倍の実力をお持ちでいながら……。何とも、ゆかしい、末頼もしいお方であろうな」
と、口を極めていった。
又市は、十兵衛付の若党であった。直接の主人である十兵衛のことを賞めそやされると、悪い気持はしなかった。
で、台所頭の老人の口に、彼も合槌を打って、
「いや、仰せの通り。手前などは、ご幼少から、十兵衛様には、身近に仕えておるが、あんなお優しい方はない。しかも、母君にはご孝行だし、こうして当地にご遊学中も、諸国をご遍歴中も、母君へのお便りは欠かしたことがない程で」
「総じて二十四、五といえば、剛直なれば大言壮語。おとなしければ柔弱で怠け者。木の股から生れたように、親の恩など忘れて生意気ぶるものだが」