Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
「――では、お優しいばかりかと思うと、あれで、恐ろしく強いご気質もあるので、それは滅多に色にはお出し遊ばさぬだけに、怒ったら、きかないご気性ですよ」
「そうじゃろう。おとなしいといわれる者ほど、一たん怺えがつかぬとなると」
「今日なども、感じました」
「ム。今日な……」
「事に当って、是か非か、じっと考え込まれる時には、考えておられるが、決すると、堰を切ったように、従兄弟様の光春様へも、すぐ指図して、こうなさい、ああなさいと、きびきび指図してしまう」
「将器じゃの。いわゆる大将の器というものじゃろ」
「光春様も、十兵衛様には、心服しておられるので、お指図どおりに、すぐ肚をきめて、早馬で鷺山のお城へすぐ駈けつけて行かれました」
「一体、どうなるのじゃろ」
「さ。その儀はな?」
「飯をうんと炊け、兵糧として握っておけ。ひょっとしたら、夜半にも、合戦となるやも知れぬから――と、光春様は云い残して、あわただしゅう、早馬でお出ましになったが」
「万一の準備にな」
「万一ですめばよいが、鷺山と稲葉山城との御合戦では、わしら奉公人は、いずれへ弓を引いてよいやら――いずれへ引いても、友や骨肉がおるしのう」