Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
弾正から頼んで、おととし頃、茶わん屋へ奉公にやってある姉の子の日吉にちがいない。何か、汚いふろしき包を背なかに背負い、竹の棒にも何やら差して肩に担いながら暢気そうにやって来るのだ。
「まあ、すこし見ないうちに、大きゅうなって……」
それにも眼をみはっていたが、その大きな身なりになっても、相かわらずらしい暢気さに、呆れていたのだった。
よしや辛かれ
なかなかに
人のなさけは
身の仇よ
ヤヨ……
「やあ、叔母さん、そんなとこに立っていたんですか。……今日は」
日吉はそこへ来るとぺこんとお辞儀をした。歌をうたいながら歩いて来た心身の弾みが、わざとする気もなく、ひょうきんに挨拶をさせるのだった。
だが、若い叔母は、笑いを忘れた人のように、晴れない顔をしたまま、
「めずらしいこと。――上の光明寺さまへでもお使いに来たのかえ」
と、いった。
「いえ」
日吉は、とたんに、頭を掻いて、少し云い難そうに、
「茶わん屋から、お暇が出てしまったんで……。叔父さんに知らせなければ悪いと思って、寄ったんで」
「え。……また?」
おえつは眉をひそめて、
「またおまえ、追い出されて来たんですか」
「だって……」