Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せっしょうせき

日本の諸国物語

楠山 正雄

Lesen Sie 日本の諸国物語 (せっしょうせき) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.040 Zeichen · 158 Bildschirme

Aozora Bunko

三

そこで六部は、これこれこういうわけだから、どうか人助けだと思って、二三日この犬を貸してもらえまいかとたのみますと、りょうしは、

「いや、そういうわけなら、少しでも早く連れておいでなさい。ここから美作国まで行くのでは、たっぷり二日の道のりだから。」

といって、快く犬を貸してくれました。六部は大そうよろこんで、しっぺい太郎を連れて、もう痛い足のこともわすれて、どんどん美作国に向かって急いで行きました。

三

「七日のうちには。」といって、六部が約束をして行ってから、もうその日も暮れかかってきましたが、どうしたのかいまだに、かいもく、姿が見えないので、人身御供に当たった家の人たちは、待ちくたびれてがっかりしていました。村の人たちは、それを半分は気の毒らしく、半分はあざ笑うように、

「あんな旅のふうらい坊のいうことなどを当てにして、今更どうなるものではない。」

といっていました。そして娘を入れる長持を、大ぜいしてわいわい担いで来て、

「さあ、だんだん時刻がおくれます。気の毒だが、お娘御を出して下さい。」

と、門口でやかましくいい立てました。

「まあ、もう少し、もう少し。