Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せっしょうせき

日本の諸国物語

楠山 正雄

Lesen Sie 日本の諸国物語 (せっしょうせき) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.040 Zeichen · 158 Bildschirme

Aozora Bunko

」

といって、娘のふた親は「よもや」をたのみにして、半時、一時間と延ばしていました。それでもやはり六部は姿を現さないので、もういよいよだめとあきらめて、しおれ返りながら、娘を出して、きれいに体を清めて、新しい、白い着物に着替えさせました。みんなは娘を長持へ入れて、いよいよ担ぎ出そうとしました。

そのとたんに、しっぺい太郎をつれた六部が、はあはあ息を切りながら駆け込んで来ました。六部はあわてて娘を長持から出してやって、

「まあ、わたしにまかせて下さい。きっといいようにしますから。」

といって、しっぺい太郎を抱えたまま、自分が長持の中にぽんととび込みました。そして、

「娘さんの代わりに、わたしを神さまに上げて下さい。」

といいました。村の人たちは、

「そんなことをして、神さまのたたりがあっても知らないぞ。」

と口々にぶつぶついいながら、いわれるままに長持を担いで行きました。たい松をつけた人が先に立つと、長持のうしろには神主がつき添って、旗や矛を押し立てて、山の上のお社をさして行きました。お社に着くと、みんなは長持を、真っ暗なほこらの中に、こわごわ置いて、あとをも見ずに、逃げ帰ってしまいました。