Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ともぐい

日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集7

本庄 陸男

Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集7 (ともぐい) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.052 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

その妹は尋常を出るとすぐ金に換えて町にやった。そうしてがつがつ生命をつなぎ次の年次の年と考えていたが、今年は最早や遣り切れなかった。夏がおそく蒔付けが晩れた。そこへ水害だ。おまけに秋は途法もなく早く霜を降した。

「何処ぞは戦争が起ったそうな。一体どなになるんぞ、ええ?」

「ええ具合に吹雪いて来た――」と亭主は別なことを呟いた。日頃考えていたことを女房に合図した。ざらざらする蕎麦団子を食ってしまった子供に阿母は厳しく申渡した。

「早う寝え! 起きとると腹が減る!」

子供は筵のような蒲団に潜った。庇の合間から吹き上げて来る粉雪が、ささ……と蒲団から囲炉裏の上に落ちていた。炉端でひそひそ話していた親達はやがてこっそり出て行った。戸外は先の見えない闇夜だ。吹きまくられる雪が真正面から呼吸を塞いだ。たじろいだが、思い切って歩き出した。雪は思った通り深かった。その上足痕はすぐに消されるほど吹雪いていた。腿まではいる雪の中を四つ匐いになって歩いた。ごうっと荒れて来ると、鼻先の亭主を見うしなう。その度に女は細い、だが力を込めた声で呼ばった。

「父はん、離れずにお呉れ。盗るんじゃない、借りるんじゃ。