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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんちゅう 

春昼・春昼後刻

泉 鏡花

Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

心の籠った口のあたり、髯の穴も数えつびょう、

「申されました、おもしろい。」

ぴたりと膝に手をついて、片手を額に加えたが、

「――うたゝ寐に恋しき人を見てしより夢てふものはたのみそめてき――」

と独り俯向いた口の裏に誦したのは、柱に記した歌である。

こなたも思わず彼処を見た、柱なる蜘蛛の糸、あざやかなりけり水茎の跡。

「そう承れば恥入る次第で、恥を申さねば分らんでありますが、うたゝ寐の、この和歌でござる、」

「その歌が、」

とこなたも膝の進むを覚えず。

「ええ、御覧なさい。其処中、それ巡拝札を貼り散らしたと申すわけで、中にはな、売薬や、何かの広告に使いまするそうなが、それもありきたりで構わんであります。

また誰が何時のまに貼って参るかも分りませんので。ところが、それ、其処の柱の、その……」

「はあ、あの歌ですか。」

「御覧になったで、」

「先刻、貴下が声をおかけなすった時に、」

「お目に留まったのでありましょう、それは歌の主が分っております。」

「婦人ですね。」

「さようで、最も古歌でありますそうで、小野小町の、」

「多分そうのようです。」

「詠まれたは御自分でありませんが、いや、丁とその詠み主のような美人でありましてな、」