Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんちゅう 

春昼・春昼後刻

泉 鏡花

Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

こうと分ったら穴へでも入るんだっけ。お目にかかるのじゃなかったんです。しかし私が知らないで、二階から御覧なすっただけは、そりゃ仕方がない。」

「まだ、あんな事をおっしゃるよ。そうお疑いなさるんなら申しましょう。貴下、このまあ麗かな、樹も、草も、血があれば湧くんでしょう。朱の色した日の光にほかほかと、土も人膚のように暖うござんす。竹があっても暗くなく、花に陰もありません。燃えるようにちらちら咲いて、水へ散っても朱塗の杯になってゆるゆる流れましょう。海も真蒼な酒のようで、空は、」

と白い掌を、膝に仰向けて打仰ぎ、

「緑の油のよう。とろとろと、曇もないのに淀んでいて、夢を見ないかと勧めるようですわ。山の形も柔かな天鵞絨の、ふっくりした括枕に似ています。そちこち陽炎や、糸遊がたきしめた濃いたきもののように靡くでしょう。雲雀は鳴こうとしているんでしょう。鶯が、遠くの方で、低い処で、こちらにも里がある、楽しいよ、と鳴いています。何不足のない、申分のない、目を瞑れば直ぐにうとうとと夢を見ますような、この春の日中なんでございますがね、貴下、これをどうお考えなさいますえ。