Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
紋作は自分の叔母だと云っているが、それがどうも胡乱である。そこからも時々に男の使がくると、お浜は妬ましそうに話した。
「よし。あの定という野郎をここへ呼んでくれ」
お浜に呼ばれて降りて来た兎欠脣の定吉は、すぐに近所の自身番へ連れてゆかれた。半七は頭ごなしに叱り付けた。
「馬鹿野郎。いい年をしやあがって何だ。孫のような小阿魔に眼じりを下げて、あげくの果てに飛んでもねえ刃物三昧をしやあがって……。途方もねえ色気ちげえだ。人間の胴っ腹へ庖丁を突っ込んだ以上は、鮪を料理ったのとはちっとわけが違うぞ。さあ、恐れ入って白状しろ」
「親分。違います、違います」と、定吉はあわてて叫んだ。「憚りながらお眼違いです。わたくしが紋作を殺したなんて飛んでもねえことです」
「嘘をつけ。池の端の料理屋の門口から、紋作はいるかと声をかけたのは手前だろう」
「違います、違います」と、彼はまた叫んだ。「そりゃあ私じゃあありません。十露盤絞りの手拭をかぶった若い野郎です」
「てめえはそれをどうして知っている」
定吉は少しゆき詰まった。かれは自分の寃罪を叫ぶために、飛んでもない事をうっかり口走ってしまったので、今さら後悔しても追っ付かなかった。