Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
四
紋作の初七日の逮夜が来た。今夜は小間物屋の二階で型ばかりの法事を営むことになって、兄弟子の紋七は昼間からその世話焼きに来ていた。涙のまだ乾かないお浜は、母と共に襷がけで働いていると、その店さきへ半七がぶらりと来た。
「おれは御法事に呼ばれて来たわけじゃあねえが、これはまあ御仏前に供えてくれ」と、かれは菓子の折を出した。「そこで、今夜は紋七も来るんだろうね」
「はい。もうさっきから来ています」と、お浜は云った。
「そりゃあ都合がいい」
案内されて二階へあがると、小さい机の上には位牌が飾られて、線香のうすい煙りのなかに燈明の灯がまたたきもせずに小さくともっていた。紋七は数珠を手にかけて其の前に坐っていたが、半七を見てすぐに立って来た。
「親分さん。この間はいろいろお世話になりました。今夜は仏の逮夜でござりますに因って、まあ型ばかりの仏事を営んでやろうかと存じて居ります」
「後々のことまでよく気をつけてやりなさる。御奇特のことだ、仏もさぞ喜んでいるだろう。さて其の仏のまえでお前さんに少し話したいことがある。ここの娘もつながる縁らしいから、おふくろと一緒にここへ呼んでもいいかね」