Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
湯のなかで生きていられるといっても熱湯ではとても堪まらないのであるから、売り主はいいくらいに湯加減をして置いて、さてその金魚を放してみると、二匹ながら紅い尾を振って威勢よく泳ぎまわったので、其月も得心した。惣八も今更のように感心した。これでいよいよ其月の手でどこへか売り込んでくれることに決まったが、其月はその売り先を明かさなかった。わたしにあずけて置いて下されば、きっと云い値で売ってあげると云った。かれが売りさきを明かさないのは、おそらくこっちの云い値以上に売り込んで、そのあいだで幾らかの儲けを見るつもりであろうと察したので、惣八らも深く詮議しなかった。売り込みで儲けた上に、こっちからも約束の礼金を取って、其月は二重の利益を得るわけであるが、それはめずらしくもないことであるので、惣八らも怪しまなかった。ふたりは何分おねがい申すと云って、かの金魚をあずけて帰ると、それから又五、六日の後にお葉が使に来て、惣八にいつでも来てくれと云うので、かれはすぐに出かけてゆくと、其月は金魚の代金八両二分をとどこおりなく渡してくれた。惣八ははじめの約束通りに、そのうちから二両の礼金を置いて帰った。