Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
そういうすばらしい大工事を、またたくまにやってのける生きものがあるんだ。いったい何だと思うね」
一太郎君は、そんなえらいものが、人間のほかにいるんだろうかと、びっくりしてしまいました。そして、しばらくの間、いろいろと考えてみましたが、どうしてもわからないのです。
「伯父さん、僕、わかりません」
正直にいって、ちょっと赤くなって、頭をかきました。
「ハハハ……、こんなやさしい謎が、智恵の一太郎にとけないなんて、今日はどうかしているね。それじゃ種あかしをしようか。なんでもないんだよ。ほら、あすこをごらん。あれがその橋なんだよ」
伯父さんは、そういって、すぐそばの小川の上を指さしました。
「え、どれが?」
一太郎君にはまだわからないのです。
「あのきれいな蜘蛛の巣が見えないのかい」
いわれてみると一メートルほどのはばの小川の、むこう岸の木の枝へと、大きな蜘蛛の巣がはってあるのです。
木の枝の上の方と、少し下の方とに、二本の丈夫な蜘蛛の糸が、小川を横切ってはりわたしてあって、そこの二本の糸の間に、あのからかさをひろげたような、蜘蛛の網が見えるのですが、それに朝露の玉が一めんについているものですから、まるで宝石をちりばめたように、きらきらと美しくかがやいているのでした。