Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
針の穴
伯父さんの声に、一太郎君は、はっと夢をやぶられたように、ふりむきました。そして、うっとりとした顔で、
「ええ、僕、蜘蛛がすきになってしまいました」
と答えるのでした。
「ほんとうに神様はすばらしい」
一太郎君は心の中でくり返しました。すると、世界中がなんだか不思議なすばらしいことで一ぱいになっているように感じられて来ました。そして、この世の中が、きのうまでの二倍も、三倍も、十倍も、たのしいものに思われてくるのでした。
針の穴
ある朝、明石一太郎君のお祖父さんが、老眼鏡をどこかへおき忘れて、いくらさがしても見つからないので、新聞がよめないといって、困っていらっしゃいました。
「一太郎、お前がいたずらをしたんじゃあるまいな」
お祖父さんは、そばにいた一太郎君を見て、笑いながら、おっしゃるのでした。
「いいえ、僕、いたずらなんかしませんよ。でもね、お祖父さん、僕が新聞をよめるようにしてあげましょうか」
一太郎君が妙なことをいいました。
「よめるようにといって、お前がよんで聞かせてくれるのかね」
「いいえ、そうじゃありません。お祖父さんがおよみになるんです。眼鏡の代りになるものを、僕が作ってあげましょうかっていうのですよ」