Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
伯父さんのおっしゃる通りです。蜘蛛は二三度行ったり来たりして、はじめの糸を丈夫にしておいてから、その糸を足場にして、少し下の方に、第二の橋をわたしました。それから、二本の橋の間に、ななめの糸を幾本もはって、外がこいをつくってしまいますと、そのまん中に、あのからかさをひらいたような、美しい網をあみはじめるのです。
その網が半分ほどもできあがるまでには、一時間以上もかかりましたが、一太郎君は、その間、身動きもしないで、この小虫のすばらしい仕事ぶりに見とれていました。あきるどころか、見ていればいるほど、感心の度がふかくなって、おしまいには、それが蜘蛛ではなくて、人間の美しい曲芸師のようにさえ感じられてくるのでした。
晴れわたった青々とした空を背にして、銀色に光る細糸の上で、びっくりするような空中曲芸をえんじている曲芸師――女郎蜘蛛は、だんだらぞめの衣裳を着て、その衣裳にはきらきらとかがやく金銀のかざりさえついているのです。まあなんという美しさでしょう。
「ハハハ……、すっかり感心しているね。どうだね、こいつはなかなかえらい虫だろう。お前は、こんな小さな虫に、これほどの力をおさずけになった神様を、すばらしいとは思わないかね」