Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物記 (しょくぶつき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 165.848 Zeichen · 327 Bildschirme
この荒川の堤の上は同方面では誠に重要な通路に当って居るものであるから、民衆は勿論の事、近来大いにその数を増した自動車ならびに貨物自動車がこの堤上を馳するものが著しく殖えて来て、従てその路面を踏み固め曳き固めかつ揺るがし、加うるに二六時中四方の工場の煙突より吐き出ずる煙のためにその枝幹は黒く塗抹せられその葉面は黒煤を被ぶり為めにその桜樹の生気が断えず害せらるるので、樹は年々に弱り行き遂にこの憐れな結果を招来したものである。
それなればその堤上の頻繁な往来を停止しその来襲する黒煙を止むる事が出来るかというに、それはトテモ出来ない相談で、この国家経済上からの進展大勢はどうしてこれを止むる事が出来ざるばかりでなく、またこれを制限する事も出来はしない。この経済発展の見地から打算すれば、今よりは一層堤上の往来も繁くし自動車も貨物自動車ももっともっと盛んに通って貰わねばならぬ。また工場の煙突からも、もっともっと黒煙を吐いて貰わねばならぬ。元来この地帯は固よりこんな運り合せに向わされる宿命の場処であって、それを知らずそこへ桜の名所を作ったのは今から言えば当時の人の不覚であったが、一寸先きは闇の夜の人間だからそれまあー仕方のない事さ。