Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物記 (しょくぶつき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 165.848 Zeichen · 327 Bildschirme
結実の妙味
子孫を継ぐのは系統を絶さないに在る。これは人間も同じ事だ。人間に男女があるのは畢竟我が人間たる系統を続かす為めに子を生まねばならぬ重大な役目を持っているからである。それゆえ私は独身生活は最も大なる罪悪だと信じて疑わない。男も女も何の憚かる事なく大ビラに結婚すべしだ。そして子宝といわるる子供をウント拵えるべしだ。これがすなわち天から我等に賦課せられた最も重大な人間の責任である。私は絶叫する。独身でいるのは霊智の人でありながら無智の草木に恥ずる行為だと。
妙な処へ気焔を吐き散して相スミマセン。スミレはアノ通り美花を開いてもその目的の実が生らず(中には生る事も無いでもなけれど)種子が出来んとして見ると、これはスミレの一生に取っては実に容易ならぬ一大事でウッカリしてはいられない事件だ。
結実の妙味
しかし世の中は好くしたものでスミレは花はどう咲いてもよい。それには秘伝がチャンと備わっている。すなわちそれは閉鎖花という代理が出来ていてコッソリとそれが盛んに実を拵え種子を拵えるのである。スミレの様に盛んに閉鎖花を出す植物は他にそう沢山あるものではない。かのスミレの顔ばせを成せる花が凋落し行く頃からこの閉鎖花が出る。