Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物記 (しょくぶつき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 165.848 Zeichen · 327 Bildschirme
しかし俳人がこの果実すなわちハスの実がポンと音して自然に蓮房より遠くへ飛び出る様に想うて居るのは誤であります。チョット飛び出そうに見えるから早合点してそう想ったのであろう。「蓮の実と思ひながらも障子明け」と詠じたのは実況ではありません。
ハスの種類の中に観音蓮と呼ぶものがあります。これは※(「くさかんむり/亭」、第4水準2-86-48)すなわち花梗の頂に二ないし五花許集りて開くもので、花弁相層りて八重咲をなし、花心に蓮房がない。それゆえこれは実が出来ない。前に述べた彼の中将姫が織ったという曼陀羅はこのハスの糸を以て作ったとの事であります。
また通常の蓮花で、梗頭に二花開くものを並頭蓮といって居る。これは別に特別の種類でなく、ただハスの一時の変形である。東京上野公園の不忍池にはハスが沢山あって、年々無数の花が出るが、かくの如き変形物は稀れに見受けるに過ぎません。
ハスはまたハチスという。ハスはこのハチスの言葉の縮んだものである。しかしてハチスは元と上に記したる蓮房の形より来たものであります。蓮の字は元来はハスの花床(花托)の名であるが、今は通常その全体の名に用いられて居る。